朝の心
ウェブ3.0とわたしたち
- 2019.11.01
- 朝の心
皆さんはウェブ3.0という言葉を聴いたことはありますか?これはインターネットのネットワーク、ウェブの第三世代という意味で、現在のウェブの環境を表す言葉です。ウェブの始まりは一般的に1989年に欧州原子核研究機構のティム・バーナーズ・リー氏がworld wide webを開発したことによると言われています。初期のウェブは企業などの団体がホームページをつくり、パソコンを通じてページに訪れたユーザーに対して一方的に、決まった情報を提供する場でした。これがウェブ1.0です。しかし、2005年ごろからFacebookやTwitterなどのソーシャルメディアが登場し始め、ホームページを持つ企業・個人だけでなく、誰でも情報を発信できるようになりました。このような双方向の情報発信ができる、情報の受け手と出し手が流動的になったこと、それがウェブ2.0と呼ばれています。
ウェブの世界はさらなる進化をとげ、現在はウェブ3.0の時代と言われています。その特徴の一つは、人工知能と膨大な情報の蓄積、いわゆるビックデータを利用して、個々のユーザーに対して必要な情報を"予想"して情報が与えられるようになったことがあげられます。グーグルで検索するときや、アマゾンやYouTubeなどの「あなたへのおすすめ」がよい例ですが、これまでに買ったものや見たものをAIが分析して私たちの好みを判断し、おすすめのものを提示してくれます。進化は現在も続いており、専門家たちはウェブ4.0の世界の予想を行っています。
さて、今日はウェブの進化の歴史を簡単にみてきましたが、この歴史は、わたしたちのコミュニケーションの成長段階と似ているように思います。赤ん坊のときは泣いて自分の必要を周りに伝えることしかできません。そしてだんだん言葉を覚え、人の話を聞くことができるようになり、対話ができるようになります。さらに相手と付き合いが長くなると、聞かなくても相手の必要なことがわかってきてコミュニケーションが早くなってくることがありますよね。
本日11月1日はカトリック教会ではすべての聖人をお祝いする大祝日にあたっています。「聖なるものになろう!」と言われている通り、教会から認定されている聖人だけでなく、すべての人が聖なる人になるよう招かれています。聖という漢字は、耳と口の王様とかきますね。皆さんは特に話し合いの時など、自分の言いたいこと言うだけではなく、他の人の話を聞くことはできますか?友達のことをどれだけ知っていますか?皆さんの心はウェブ何.0でしょうか?自分を振り返って考えてみるとよいと思います。
「先生、僕の心はどうやったら進化するんですか?」それはまた、別の話。