朝の心
人生を共有してください
- 2019.12.10
- 朝の心
定期試験が終わり、ほっとしている頃だと思います。あとは、クリスマスとお正月を待つばかりですね(高校3年生以外は)。プレゼントやお年玉をもらったり、御馳走を食べたりして、家族や友だちと楽しい時間をともに過ごす機会が多くなる時期です。皆さんは、今年の年末をどのように過ごすのでしょうか。
先月 来日されたフランシスコ教皇は、たくさんの素晴らしいメッセージを残してくれました。これから折に触れて、教皇がくださったメッセージを一つずつ紹介していきたいと思います。今朝は、東京で行われた「青年との集い」で話されたメッセージの一部を紹介します。ここでは、物を所有すること以上に大切なのは何かということを、日本の若者たちに問いかけています。
「最も重要なことは、『何を手にしたか、これから手にできるか』という点にあるのではなく、『それを誰と共有するのか』という問いの中にあると知ることです。この問いを問うことを習慣としてください。『何のために生きているのではなく、誰のために生きているのか。誰と、人生を共有しているのか』と。何のために生きているかに焦点を当てて考えるのは、それほど大切ではありません。肝心なのは、『誰のために生きているのか』ということです。物も大切ですが、人間は欠けてはならない存在です。人間不在なら、私たちは人間らしさを失い、顔も名もない存在になり、結局はただの物、いくら最高級でも、ただの物でしかないのです。いくら最高の品でも、それは単なる物です。けれども私たちは人間なのです。(聖書の中にある)シラ書には、『誠実な友は、堅固な避難所。その友を見いだせば、宝を見つけたも同然だ』(シラ6・14)とあります。だからこそ、次のように問うことが大事なのです。『私は誰のためにあるのか。あなたが存在しているのは神のためで、それは間違いありません。ですが神はあなたに、他者のためにも存在して欲しいと望んでおられます。神はあなたの中に、たくさんのよいもの、好み、たまもの、カリスマを置かれましたが、それらはあなたのためというよりも、他者のためなのです』(使徒的勧告"キリストは生きている"286)。他者と共有するため、ただ生きるのではなく、人生を共有するためです。人生を共有してください」(青年との集い(東京カテドラル聖マリア大聖堂)2019年11月25日より)