朝の心
あきらめた時が弱点であり、失敗となる
- 2020.01.17
- 朝の心
今年はネズミ年です。そこで、イソップ童話からネズミにまつわる話を一つ紹介します。
ある日、ネズミがエサを食べていたら、牛がバカにしてこう言いました。
「このチビめ!食い意地ばかり張りおって。エサがあれば、ドブの中でもゴミの中でも平気で取ってくるんだからな。そんな卑しいことをする奴はオマエぐらいしかいない。少しは恥を知れ」。
すると怒ったネズミは牛にガブリと噛みつき、素早く小さな壁の穴に逃げ込みました。牛はその後を追いかけましたが、間に合いません。そこで壁を何度も叩きましたが、びくともしません。
やがて牛は疲れ果てて眠ってしまいました。すると再びネズミが出てきて、もう一度ガブリと噛んで壁の穴に逃げ込みました。そして、噛まれたショックと痛みで目を覚ました牛に向かってこう言ったのです。
「大きくて力のある者が、いつも優れているとは限らないんだ。時には小さくて卑しいことが武器になるものだ」(『ヘタな人生論よりイソップ物語』参照)。
弱点やハンディと思われることでも、実は役に立ったり大きな支えになったりすることがあるという、一つのたとえ話です。誰もが弱点やハンディを持っています。社会で成功者と言われる人たちの多くは、そんな弱点や失敗を乗り越え、逆手にとって活かしてきたからこそ成功を手にしてきたのです。裏を返せば、優秀な人や能力の長けている人が、必ずしも成功したり優位に立ったりするとは限らないということになります。元メジャーリーガーのイチロー選手も体格に恵まれていなかったからこそ、体のしなやかさを活かした独特の打ち方で、数多くの記録を打ち立てることができました。夢や目標をあきらめない限り、弱点や失敗は成功するためのプロセスであり、生みの親となるのです。言い方を変えれば、「弱点」や「失敗」は、自分があきらめた時が弱点となり、失敗になるのではないでしょうか。
新しい年が始まりました。心に決めた夢や目標をしっかりと見つめ、あきらめない気持ちで毎日を過ごしてほしいと思います。
2020年元日の初日の出(日向学院から)