朝の心
節制のススメ
- 2020.02.25
- 朝の心
サレジオの学校で過ごしている皆さんは、若い時のドン・ボスコの性格をよく覚えていることでしょう。小さい時から模範的で、穏やかな性格だったでしょうか。いえいえ、正義感は強いけど、気に入らないことがあるとすぐに頭に血が上り、仲間の胸ぐらをつかんで殴りかかるような少年でしたね。こんな血気盛んな少年がどのようにして周りにいる人に安心感を与える、穏やかな大人になっていったのでしょうか。
先日、ある雑誌を読んでいたら、「怒りを予防する4つの徳」という記事がありました。「徳」といっても「得をする」の「得」ではなく、優れた人間的な性質を表す「徳」です。そこには「節制」、「忍耐」、「寛容さ」、「柔和」とありました。今日はその中でも「節制」についてお話します。
「節制」とは、自己コントロールができていることです。自分が自分自身の主人になっているということ、自分以外のどんなものにも、自分の決定を左右させないということです。より多くのモノを持ちたい、より目立ちたい、より重要視されたいという欲求をコントロールしながら、妬みや怒りにつながるようなフラストレーションを避けるのです。
その記事は、「節制」の徳を育てるには、自分が今持っているもので満足することが大切だと言います。余計なものや表面的なものから離れ、本質的なものを求めることは、心の中を平和に保つことにつながります。
宗教的には「断食」をすることが薦められています。いやいやそんなことはできないよ、とか、ゲームをやり続けたら2食くらい簡単に抜いちゃいますよというキミ、ここでは「食べない」ということではなく、「好きなものを我慢する」というように考えましょう。毎日の生活の中でどんなことに一番好んで時間をかけているでしょうか。ユーチューブの動画を見ることとかゲームに打ち込むとか。または毎日楽しみにしているスイーツでもいいでしょう。何か普段自分が自由にできているものから離れてみることは、実は自分の誘惑への強さや克己心を養う一つの有効な方法なのです。
カトリック教会では来週(今週)の水曜日から「四旬節」という季節に入ります。この時期には「断食」が薦められるのですが、皆さんも「節制」の徳、自己コントロールの徳を鍛えるために、何か好きなものから離れる「断食」をしてみてはいかがでしょうか。