朝の心
ペイ・フォワード
- 2020.07.17
- 朝の心
最近届いた、学院生に関する二つのいい話を紹介します。
駅前キテン・ビルのローソンの店員の方から電話がありました。中学の男子生徒が、有料化されたレジ袋をわざわざ買い、店の前や周辺のごみ拾いをしてくれたそうです。その姿に感心し、「自分たちもそんな意識を持たなきゃね」と、店長さんともども話し合われたそうです。御礼を伝えてほしいとのことでした。
もう一つは駅前の日生ビル前での出来事です。ある女性の方が、倒れた自分の自転車を起こそうとしましたが、別の自転車と絡まって動きが取れなくなりました。そこへたまたま通りかかった高校の女子生徒が、絡まった自転車を外すのを一緒に手伝ってくれました。途中、生徒の自転車も倒れたにもかかわらず、その女性の自転車を起こすことを優先してくれたということで、御礼の電話をいただきました。
この二つの話を聞いて、私は「ペイ・フォワード」という映画を思い出しました。「ペイ・フォワード」、直訳すると「先に払う」という意味です。映画の主人公である11歳の少年トレバーは、社会科の授業で担任のシモネット先生から「もし君たちが世界を変えたいと思ったら、何をする?」という課題を与えられます。トレバーは悩んだ末、あるアイデアを思いつきました。それは「ペイ・フォワード」すなわち、人から受けた思いやりを相手に返すのではなく、周りにいる別の人へと贈っていく、善意の連鎖というものでした。少年トレバーのユニークなアイデアは、やがて周りに広がっていき、周りの人たちの心が徐々に癒されていくという物語です。
新型コロナウィルスの世界的拡大によって、私たちをとりまくさまざまな問題が明るみに出てきています。周りを非難したり、過剰に誰かを追い詰めたりする自己中心的な言動も、顕著になっているようです。そんなことで世の中がよくなっていくとは思えません。先ほど紹介した話のように、身近な所で、自分にできることから、人のため社会のために行動することこそが、世界を変えていける最も現実的な方法だと思います。「地の塩、世の光であれ」と言われている私たち学院生自身から、まず行動していきたいものです。