朝の心
40日
- 2021.02.19
- 朝の心
「40日」
この言葉から皆さんは何を思い浮かべるでしょうか。
聖書について考えると、いくつかのエピソードが思い浮かびます。一つはノアが大洪水の中、箱舟で過ごした日数です。そしてもう一つは、イエス様が宣教活動を始める前に、荒れ野で断食をした日数でした。
今日はカトリック教会の暦では「灰の水曜日」と言います。今日からおよそ40日間、荒れ野で過ごしたイエス様に倣った生活をし、復活祭、イースターを迎えるための準備をする期間になります。
この準備期間に何をするのか。教会は3つのことを勧めます。まずは「断食」。実際に食べ物を食べないこともありますが、それよりも「節制」といって、普段余分に満たされているものを敢えて避けるということが勧められています。例えば、スマホやパソコンの「スクリーン」。勉強などで使うのは仕方ないにしても、ちょっとした暇な時間にわたしたちはどれくらい「スクリーン」に見入っているでしょうか。それをグッと抑えて、その時間を瞑想や読書、友人との語らいなどに振り向けてみたらどうでしょう。自分の時間がいかにスクリーンに縛られていたか、スクリーン以外にもいかに広い世界が広がっていたことかに、気づくことができるはずです。
次に、「祈り」。これは何も「主の祈り」を唱えることだけではありません。普段、自分自身に向かっている意識のベクトルを、神様と身近な人々に向けて、その存在を大事にする思いを起こすこととも言えます。特にあまり関係の良くない人や話しかけるのに勇気がいる人のことを思い出し、その人の幸せを願うのはとてもいいですね。きっと、心の中でその人への印象が変わってくるはずです。
最後に、「善行」。どんな小さなことでもいいので、良いとされることを行ってみるのです。普段より朝のあいさつの声を大きくするもよし、誰かをちょっとほめるもよし。私は校内に落ちているゴミを一つ拾うことにしています。
40日というのは、人間に一つのことを習慣づけるのにちょうどいい長さと言われています。皆さんもこの四旬節に、何か一つのことに毎日チャレンジしてみましょう。きっと、イースターの時には、新しい世界を見ることになりますよ。