朝の心
オリジナルな生き方
- 2021.03.05
- 朝の心
"Buon gio------rno tutti!"、"ナマステー、日向学院!"、「いい時間帯ですね」
これらの挨拶はパクリです。「朝のこころ」担当者それぞれのオリジナルで、話す先生の特徴が現れています。これを真似ても、まったく私らしくありません。私はイケボイスで「おはようございます」と言います。
イエス・キリストは「敵を愛しなさい。自分を迫害する者のために祈りなさい。天の父は悪人にも善人にも太陽を昇らせ、正しい者にも正しくない者にも雨を降らせてくださるからである」と話し、結びに「天の父が完全であられるようにあなたがたも完全な者になりなさい」(マタイ5・43~48)と、締めくくられました。「完全」と言われると「そんなのは無理だな」と思ってしまいますが、決して「完璧になりなさい」と言っているのではないことに注目すべきです。聖書で言う「完全」の語源は、「山から採ってきた岩や石の状態」を指しています。採ってきたままの岩や石ですから、凹凸があったりゴツゴツしたりしているはずです。形や色もさまざまでしょう。ところが私たちは周囲の目や反応が気になって、必要以上に整えたり磨いたりします。時には形や色を変えて、無理に自分を作ったり装ったり、抑えたりして、ついには息苦しくなります。そして相手に対しても同じことを求めるようになります。自分の好みでなかったり、変わっていたりすると、批判や拒否、差別が起こりかねません。
イエスは、「完全になりなさい」とは、つまり「あなたはもっとあなたらしく、あなたのままでいなさい」「あなたはそんなあなただから大切なのですよ」ということに気付いてほしいと言っているのです。そして周りの人に対しても同様に、自分と違っていても、意見が合わなくても「その人をその人のまま受け入れ、大切にしてください」と伝えています。そう考えると、イエスの言う「あなたの敵を愛しなさい、あなたを迫害する者のために祈りなさい」の意味が、少しわかってくるのではないでしょうか。
各教室にマザー・テレサのカレンダーが掛かっていると思いますが、1,2月には「私たちはたった一つの理由のために創造されました。愛し、愛されるためです」というメッセージがありました。その人のオリジナルとは服装や髪形など表面的なことではなく、一人ひとりが「愛し、愛される」存在であることを自覚する生き方ができてこそ、オリジナルな生き方だと思います。
え、何なに?「先生、この話はどこかでしませんでしたか。これもパクリですか」。それはまた別の話。