朝の心
扉を開く
- 2021.04.21
- 朝の心
「心の扉をあなたに向けて、壊れるほどに開いてみたい」
これは、私が中高生の時にミサの中で歌われていた聖歌の一部です。「あなた」とは、ここでは主であるイエス様となります。誰かに向けて心の扉を開きたい、これはどんな気持ちでしょうか。
皆さんのお家にも「扉」がありますね。扉とは、家の中と外とを隔てるものでありながら、同時に中と外との出入りを許す場所でもあります。もし扉を固く閉ざすのであれば、家の中のものを奪ったり壊したりしようとする外敵の侵入から守る役目を果たすことができます。でも、お客さんが来た時には、その扉を開きますね。扉とは外の人を迎える場所でもあるのです。
前の校長先生は、校長室にいる時には基本的に扉は開けておいたそうです。それは、誰でも抵抗なく入ることができるためだそうです。もし閉まっていたら、入っていいか立ち止まりますよね。用事があったら、そのドアをノックするでしょう。
聖書の黙示録に次のような言葉があります。「私は戸口に立って、たたいている。だれか私の声を聞いて戸を開ける者があれば、私は中に入ってその者とともに食事をするであろう。」神様が私の心の扉をトントンとノックして、「私だよ、入れておくれ。一緒に食事をしよう」と言っていると言います。ここで、それを他の人に置き換えてみたらどうでしょうか。例えば、昨日ケンカをしたお母さんやお友達だったら。または、周りでさみしそうにしている友達だったら・・・。「トントン、わたしだよ。入れてちょうだい。昨日のことについて君と話したいんだ。」皆さんは心の扉を開くでしょうか。
神様は皆さんの心の扉を、無理やりこじ開けようとはされません。他の人もそうでしょう。「いいよ、入っておいで。一緒にお話をしよう」と、皆さんの方から扉を開けるのを待っています。
新年度になり、新しいクラスメートに囲まれ、心の扉が閉じてしまいがちな人もいるでしょう。心の扉の外にどんな人がいて何をしてくるのか不安でいっぱいな人がまだいるのではないでしょうか。そんな人はぜひ、少しでもその扉を開いてみて下さい。外で待っている人と一緒にお話ししてみて下さい。実はみんな、聞いてほしいことがいっぱいあるんだと思いますよ。
あなたの心の扉、今日も勇気を出して、また別の誰かに開いてあげませんか?