朝の心
真の友を得るには
- 2021.06.19
- 朝の心
先日、高校総体の県大会が終わりました。本校の生徒たちもそれぞれの日頃の練習の成果を出し切れるように頑張ってくれました。特に多くの高校3年生にとっては最後の大会となり、喜びのときもあれば悔しさに涙を流したときになった人もいたでしょう。表舞台に立った人も立てなかった人も、共に汗を流しながら歩んでくれた仲間たちに感謝の心を持ってほしいなと思います。同じ時間を共有した友の存在は特別なものだと思います。特に、自分が一番弱っているときに助けてくれる友を得られることは、人生の中で宝を得たも同然です。
聖書の中で、イエス様が病気を治しているということを聞きつけて、1人の体の不自由な人を4人の人が力を合わせて近くまで連れて行くというエピソードがあります。しかも、あまりにたくさんの人がイエス様の周りに押し寄せたのでなかなか近づくことができず、それでもなんとかイエス様に治してもらえるようにと、家の屋根を引き剥がし、その体の不自由な友人をイエス様の前にベッドごと吊りおろすという、常識破りなことまでします。
この4人にとって、体の不自由な人はどのような友人だったのでしょうか。聖書は詳しくは伝えていませんが、なんとか助けてあげたいと思わせるような人だったのかもしれません。もしかしたら普段から4人に笑顔を向けたり、感謝の言葉を忘れなかったり、何か勇気や希望を与えてくれる存在であったのかもしれません。
先日、ある和尚さんが「友を作る秘訣」というものを語っていました。それは何かというと、彼に言わせれば「自分から与えること」なのだそうです。何かしてもらうことばかりを考えていると友はできない。笑顔やあいさつ、ちょっとした語らいの時間など、相手に自分から与えようとすること、自分から関わりを持とうとすることが友になる第一歩なのだとおっしゃっていました。
仏教の中では、「自分に関係した人は皆『友』なのだ」という考え方もあるそうです。そう考えると友は意外と身近にいるのかもしれません。あいさつを交わすなどの小さな関わりを重ねながら、いつかそれが一番弱いときにこそ助け合える「真の友」となっていったら、すごく幸せなことだと思いませんか。
皆さんも、この学校で「真の友」と呼べる友情を培っていってください。