朝の心
己を知る
- 2021.06.23
- 朝の心
「己を知り、己に克て」という校訓に従って自分を知ろうとすると、自分の弱さや足りないところばかりが目についてしまう傾向の人もいるかもしれません。しかし、マザー・テレサはこう言います。「自分が弱いということを知っている限り、あなたたちは安全です」と。つまり、たとえば車の運転にたとえるなら、自分は運転が下手だと思っている人は、慎重な運転を心がけるので、事故が少ないという統計があります。車の運転に限らず、トラブルが起こるのは大抵自分を過信しているときです。「これくらいは大丈夫だろう」とか「自分なら大丈夫」と思っているときにこそ、思わぬミスをしてしまうものです。自分の力の限界を知り、常に慎重に丁寧にことを進める人は、トラブルが少ないのです。
自分をより成長させることができるのも、自分の弱さを知っている人です。自分が完全だと思い込んでいる人は、自分の欠点に気づかないので、それ以上成長することもありません。逆に、自分の弱さをよく知っている人は、それを努力で一つひとつ乗り越えながら成長していきます。
みんなと協力できるのも、自分の弱さを良く知っている人です。自分は一人で何でもできると思い込んでいる人は、誰からの助けも拒みますが、自分の弱さを素直に認める人は、自分の足りないところを人に補ってもらうことができます。みんなと力を合わせてすばらしいものを作り上げられるのは、自分の弱さを知っている人なのです。
さて、定期テストが迫ってくるこの時期、覚えたはずのことを忘れる自分、解けるはずの問題が解けない自分、勉強しなければいけないと分かっているのに他の誘惑に負けてしまう自分、もう時間が足りないとあきらめたくなる自分など、弱い自分に向き合わなければならないことも多いかもしれません。しかし、弱い自分を知ることは、自分を成長させるチャンスなのです。苦しい歩みですが前向きに努力を続けることができる人は、単に成績だけではないすばらしい成長ができると期待しています。