朝の心
取捨選択も成長のうち
- 2021.10.21
- 朝の心
皆さんは英語のリスニングは得意ですか?私たちは日本語にない発音を聞いたり話したりするために、大変苦労します。例えば日本語で区別しないLとRの音は聞き分けにくく、発音も注意しないとごちゃ混ぜになってしまいます。何度も何度も繰り返し聞き、発音練習しないといけないものです。
しかし、生後すぐ赤ちゃんには私たちには難しい発音の違いも聞きとれる能力が備わっているということがワシントン大学のパトリシア・クール氏によって発表されています。赤ちゃんは生まれた時に母親とそれ以外の声を区別できるだけでなく、言語の違いも区別できる際立った能力があるということです。さらに世界中で話されている言語は800もの発音から構成されているようですが、赤ちゃんにはこのすべての音を聞き分ける能力が備わっているといいます。ですが、最初の誕生日を迎える頃には聞きなれた言語以外の言語の音を聞き分ける能力を失い始めるのだ、ということです。
私たちは、食べ、学び、遊び、そして寝て日々成長していきます。そのなかで「成長する」ということについて、身長が伸びたり、知識が増えていったりするように、常に大きくなることを私たちはイメージしているでしょう。しかし、発音を聞き分ける能力については100からスタートしてだんだんできなくなるというのです。何かを選択し不必要なものを捨てていくということも成長していくということなのでしょう。
10月6日(水)は私たちの学校の初代校長、チマッティ神父の命日です。チマッティ神父はイタリアで2つの博士号を持ち、サレジオ会名門校の校長として長年活躍されました。しかし、その心は宣教師として最も貧しい国で働くという夢に燃え、46歳の時にすべてを置いて日本へ旅立ちました。そしてゼロから日本語を学ばれたのです。神父様の取次ぎによって、成長や夢の実現のために不要なものを捨てる勇気と根気強く学んでいく力を願いましょう。
参照)「赤ちゃんってすごい!脳科学から見た、赤ちゃんの言語習得のヒミツ」
https://world-family.co.jp/cetimes/newborn/english/article-349.html