MORNING TALK
朝の心
星を眺めて
- 2021.11.17
- 朝の心
最近は朝晩めっきり冷え込んできました。少しずつ手指に静電気を感じるようになっており、空気も乾燥してきています。先日、夜明け前の空を見上げるとオリオン座がくっきりと見え、時の流れの速さを感じました。
さて、空に浮かぶ星々と地球がどれぐらい離れているかということを表す時に何何光年という言い方をしますね。1光年は光が1年間進む距離のことを表し、オリオン座の中でもっとも明るい星「ベテルギウス」は地球から約550光年離れているとされています。つまり今、見えている光は、実は550年前に放たれた光がやっと地球にたどり着いているものであり、私たちは自分たちが生まれるずっとずっと前に生まれた光を今見ていることになります。地球に届くまでの間、その光がどんな旅をしてきたのでしょうか。星の光にそれほど壮大な歴史があるとは驚きです。
普段の私たちは自分が目にしたことや聞いたことを頼りに即座に判断し、その背後にある歴史や原因に目を向けていないことがあります。あらゆることには必ず歴史があり、背景があります。私たち一人ひとりも同じです。しかしながら、通信速度や情報の処理速度がどんどん早くなっている現代社会においては特に、ちょっと立ち止まって目に見えているものの奥にあるものに心を向ける余裕がなくなっているのではないでしょうか。
今私たちが生きているのは、星の光が宇宙をずっと旅している間もずっといのちをつないできてくれたご先祖様たちのおかげです。一人一人にそれぞれのご先祖様がいて、お互いにそのような貴重ないのちを持っています。この11月は死者の月です。夜空を見上げたときは、それぞれの命の歴史に思いをはせながら、ご先祖様たちのために祈りを捧げましょう。