MORNING TALK
朝の心
扶助者聖母
- 2022.05.27
- 朝の心
以前、一つ年上の先輩から聞いた話です。学生の頃、古いバイクに乗っていたその先輩は、ある日なかなかエンジンがかからずイライラしていました。そこへ年配のシスターが通りかかり、「マリア様に祈りましたか?」と尋ねました。祈ったってかかるもんかと思った先輩は「いいえ」とぶっきらぼうに答えましたが、それを聞いたシスターは空に向かって「マリア様、信仰の薄いこの若者を助けてください!」と大きな声で言いました。先輩がもう一度挑戦すると、エンジンはかかったのです。
偶然でしょと思う人、そんなバカなと笑う人、嘘だと思う人もいるでしょう。でも、先輩にとって、その体験は大きな衝撃でした。マリア様が苦しむ人のそばにいつもいてくださり、手を差し伸べてくださる存在であることは、小さいころから教えられ、頭では理解していました。しかし、マリア様を本当に身近に感じることや、苦しい時に祈ってもいいのだと思えたことは、全く別の体験だったのです。聖母祭の日に、「ドン・ボスコは、何か大事なことを始める時には必ず「マリア様、始めましょう」と言ってから行動していた」と校長先生もお話しされましたが、ドン・ボスコにとっても、マリア様は本物の母親のように身近で、心から信頼できる存在だったのです。
今日5月24日は、カトリックの暦では、いつもそばにいて手を差し伸べてくださる聖母、扶助者聖母を祝う日です。キリスト教の信者かどうかなんて関係ありません。苦しい時、助けを求めればいつでも誰にでも、手を差し伸べてくださるのがマリア様です。もちろん、祈れば何でもかなうわけではありませんが、苦しいとき、そばに寄り添ってくださることは間違いありません。苦しみの中にあるとき、誰かのために何かを願うとき、マリア様を信頼して、お祈りしてみませんか。