MORNING TALK
朝の心
なんで俺がしなあかんねん
- 2022.09.22
- 朝の心
「もうすぐ夕食やからは配膳して」「お風呂入るから浴槽掃除して」「醤油切らしたから買うて来て」小学生の頃、決まって母は私にこう頼んできました。私はいつも「なんで俺がしなあかんねん」と常々思ってきました。今思えば、「なんで俺がしなあかんねん」と思うことが愛を行うチャンスだったのかなと思います。なぜなら犠牲を払うことが大切にするという証明になるからです。
アマゾン川の川岸に住むアリは、特に犠牲的精神をもって協力するといわれています。濁流にアリの巣がめちゃくちゃにされると、おおよそ3千ものアリが寄り集まってサッカーボールくらいの大きさにかたまり、水に流されていくのです。もちろん、この塊の半分以上は水の中に沈んでいますし、固まりの中の方にいるアリも呼吸が困難です。そこでアリたちは、順々に上の方のアリは進んで水中に入り、水中からは呼吸のために上に出てくるといった調子で回りながら、何マイルも水に流され、安全な土地に上陸するのです。
「自分さえよければいい」という利己主義がこのアリたちの中にあれば、安全に土地に上陸はしないでしょう。相互に、進んで犠牲を払おうとしないなら目標や逆境に困難が生じるでしょうし、本当に大事なものは得られないかもしれません。「なんで俺がしなあかんねん」と思うとき、実は本当に大事にしているという愛を行うチャンスが巡っている合図かもしれません。自ら犠牲を惜しまない人になりたいものです。