朝の心
信じること
- 2024.01.24
- 朝の心
わたしたちの学校の父、ドン・ボスコのお祝が近づいてきましたので今日は彼のエピソードを一つ紹介したいと思います。少年たちを集める場所がなく転々としていたオラトリオでしたがやっとヴァルドッコのピナルディさんの家に落ち着いたころ、ある夜ドン・ボスコは酔っぱらって斧を手にした父親から追われ、逃げだしてきた少年を助けます。その後、ドン・ボスコは同じように夜寝るところもない少年たちをオラトリオの自分の家に引き取ろうと考えます。最初の試みは1847年4月のある夜に行われました。ピナルディの家の端にあった小さな干し草置き場に6人ほどの若者を招いて寝かせたのですが、結果は失敗。彼らはマルゲリタが用意した毛布を持ち逃げしてしまいました。しばらくして、ドン・ボスコはもう一度若者たちを宿泊させましたが、今度はもっとひどくて、毛布だけでなく干し草やわらまで持っていかれてしまいました。
翌5月のある夜、雨が激しく降っていまいた。ドン・ボスコがマルゲリタとの夕食を終えた後、誰かが戸を叩き、外にはびしょ濡れの少年が立っていました。遠くから仕事をさがしに来たがまだ見つからず、どこへ行っていいかわからなくて、今晩泊めてもらえないかと。ドン・ボスコは彼を家の中へと招きます。マルゲリタは心配します。「この子が鍋を持っていかない保証がどこにあるのか」。それでも、ドン・ボスコたちはこの少年に食事を与え、簡易のベッドを作り、一緒に祈って寝かせてあげました。そして彼はオラトリオ第一号の寄宿生となり、その後どんどん寄宿生が増えていくことになります。
信じるということは100%裏切られないという確証があるから信じるというのではなく、裏切られる可能性はあるけれども、それでも信じるということなのだと思います。裏切られるかもしれないから信じないとなれば、なにも始められなくなります。難しいことですが、「まず信じる」ということが何事にも先に必要なのだと、ドン・ボスコは教えてくれているのではないでしょうか。