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MORNING TALK

朝の心

雪とドメニコ・サヴィオ

2025.01.22
朝の心

 1月20日は「大寒」と呼ばれ一年で最も寒い時期だと言われています。年明けから青森県を始め日本各地で大雪の被害が出ているところがあります。今日はドン・ボスコの教え子であるドメニコ・サヴィオの雪にまつわるエピソードをご紹介します。

 ドメニコがまだ小学生の時の話です。その日は雪が積もって学校の外は雪景色。昼休みが終わり生徒たちが教室に戻ってきましたが、生徒たちは雪に興奮気味です。ドメニコは自分の席に座って静かにしていましたが、周りはソワソワしていました。

 数分後、先生が教室にやってくると何か教室が騒々しい様子。急いで教室の扉を開けるとビックリ!白い煙がもわっと出てきました。教室中に煙が立ち込め真っ白です。実は、やんちゃな男子が雪を教室に持ち込みふざけてストーブの上に置いてしまって煙が出たのです。

 「誰がやった!」怒っている先生にその生徒はドメニコがやったと言いました。でも、なぜかドメニコは「僕がやりました」と否定しませんでした。授業がおわってほどなく、犯人の生徒が名乗り出て問題は解決したのですが、「なぜ、自分がやったと嘘をついたのか」と先生が聞いたところドメニコは答えました。「僕にとっては初めての悪事ですので大した罰を受けることはないでしょう。でももし彼らがやったことが知られたら大変な罰を受けるのではないかと思ったのです。」

 もちろん悪いことを肯定してはいけませんし、ただゆるすことがいいとは思いません。それを悪いことだと伝える必要があります。でも、この話の中のいたずらをし、嘘をついてしまった少年は自分が悪かったと反省したに違いないと思います。なぜならドメニコが自分のためを思ってくれたと気付いたからです。他人の失敗や悪さを被る必要はありません。でも失敗や悪いことをしてしまった人のことをも思いやることができる心、相手が自分のことを思ってくれていることに気付ける心を見習いたいと思います。

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