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MORNING TALK

朝の心

震災の記憶

2025.03.11
朝の心

  14年前の今日、東北地を震源とした東日本大震災が発生しました。14年前に生まれていなかった人もいるでしょうし、当時の記憶はあまりのではないでしょうか。私その時、東京にいまして大きく揺れたのですが、東京付近を震源とした地震がこれくらいの地震が起きたのだろうとあまり気にしていませんでした。むしろ、年度末のいろいろなお祝い、卒業祝いやお別れ会などに心を躍らせていまして、まさか東北で最大級の地震があり津波で大勢の人が流されているなんて考えもしませんでした。3.11は私にとってはとても恥ずかしい思い出です。

 震災当時、福島県浪江町請戸小学校6年生だった横山和佳奈さんは原子力災害伝承館というところで震災のことを語り継ぐ、語り部として働いています。横山さんが通っていた小学校の生徒は津波警報発令後、迅速に避難したため全員助かったのですが、その地区では人口の一割にあたる154名が津波によってなくなりました。横山さんの祖父母も犠牲になりました。

 横山さんは伝承館でのお話の中で彼女の祖父母がなぜ津波が来るというのに避難しなかったのでしょうか、という質問をするそうです。その質問に「逃げても間に合わないと思いあきらめたからじゃないか?」と答えた小学生がいました。でも「違うんです」と横山さんは話を続けます。「祖父たちは、津波が来てから逃げればいい。そもそも80年間生きてき津波なんて一度も来たことがないから、今回もどうせ来ないと、たかをくくっていたから亡くなったのです」と。横山さんが、ぜひとも伝えたいことは「非難の指示が出たら、どうせ今回も大丈夫と思わずに、その指示に従ってすぐに非難してください」ということだそうです。

 世の中には取り返しのつかないこと、命に関わることがあり、そのことについては決してたかをくくったり軽く見たりしてはいけないのです。その時、自分とまわりの人の命を守る行動ができるように、普段から意識したいと思います。

※参照:CD『復興庁主催 福島県の各地を巡る被災地視察ツアー「東日本大震災」から震災への備え・人との繋がりの大切さを学ぶ』Youth Time Project, 2025

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