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INTERVIEW

卒業生インタビュー

卒業後も自分の夢に向かって歩み続ける学院の先輩たち

INTERVIEW03

田辺弘子さん

東京大学総合文化研究科助教

田辺 弘子さん

日向学院中学校・高等学校から京都大学総合人間学部に進学。平成28年同大学大学院人間・環境学研究科博士課程を修了、京都大学たちばな賞(優秀女性研究者賞)受賞。平成25~27年度、日本が駆出振興会特別研究員(DCI)。
現在東京大学総合文化研究科助教。

西垣昌和さん

京都大学大学院医学研究科准教授

西垣 昌和さん

日向学院中学校・高等学校から東京大学理科2類に進学。
東京大学大学院医学系研究科博士課程を修了後、同研究科の助教・講師、ノースカロライナ大学チャペルヒル校看護学部国際客員研究員を経て、現在京都大学大学院医学研究科准教授。

本日は、お忙しい中お二人合わせてインタビューの時間をもうけていただき、ありがとうございます。田辺さんは、博士論文提出直後でお疲れのところ、大変申し訳ありません。さて、さっそくですが、日向学院を選んだ理由をお聞かせください。

私は、2つ理由があります。1つは、学院が中高一貫教育の進学校であること、2つめは母がカトリック信者でキリスト教が身近なものだったことです。

私は川南の出身で、西垣先生と同じように中学からは中高一貫の学校に進もうと考えていました。それで学院の夏の説明会に参加してみたら、雰囲気がよかったので学院へ行くことにしました。

学生時代はどのような生活でしたか?

運動がしたかったので、中学時代はバレーボール部、高校時代は硬式テニス部に所属していました。勉強については、寮生活でしたから、寮の時間割で定められた時間は机に向かっていました。途中30分の休憩をはさんで、18:30~24:00が自習時間でした。基本的にはまじめに勉強していたつもりなのですが、部活動の疲れでどうしてもうとうとしてしまい、寮監の先生に起こされることもありました(笑い)。

私は帰宅部でしたが、バレエとピアノ、それから小学校6年生の時に県立劇場で習い始めたパイプオルガンを受験前まで続けました。勉強は宿題と通信教育を中心に進めました。また、電車通学の時間を勉強に使ったりもしていました。

どうして西垣先生は東京大学、田辺さんは京都大学に進まれたのですか?

中高時代、将来やりたいことをはっきりと決められず、学部・学科をしぼりこむことができませんでした。そこで、入学してから将来の方向が選択できる大学ということで、東京大学を受験しました。個人的には中・高時代の限られた知識で、自分の将来像を描くことはなかなか難しいと思っています。

中学時代からイメージ的に京都大学にあこがれていました。最初は医学部志望だったのですが、受験対策で小論文を書いたり、英語の先生が特別課題として渡してくださった言語学や哲学の難解な英文を和訳しているうちに、語学、脳科学などにもどんどん興味が広がって、最終的に幅広く学べる総合人間学部を選びました。

京都大学大学院の研究室にて

どんな大学生活を送られましたか?

東京大学では最初の2年間全員が教養学部に所属していろいろ勉強します。私は、その期間にそれまで大得意だった物理に全くついていけなくなり、興味を失いました。逆にそれまであまり興味がなかった生物学をおもしろく感じるようになり、一般的には「文系科目」といわれるような経済学や心理学にも関心が広がりました。そして、ふとまわりを見ると、自分とは逆に物理は天才的にできるのに、生物は苦手な人がいたりして、「みんな得意・不得意があるんだ」と感じるようになりました。

中高時代、勉強は何でもできるようにしないといけないと考えていましたが、それからは自分が得意な分野で頑張ればいいんだと気持ちを切りかえることができました。ただ、それに気づくことができたのは、最初から好き嫌いするのではなく、とりあえずなんでも学んでみる、という姿勢があったからこそだと思っています。
そういうわけで、最初は薬学や工学に進もうかと考えていましたが、生物学から心理学まで、特に人間について広く勉強したいということと、もともと医療に興味があったことから、健康科学の道に進むことにしました。勉強以外では、ジャズ、フュージョンといったジャンルのバンドをやっていました。ベースやサックス、ボーカルも担当しました。バイトで演奏したこともありますよ。

私も、高校時代はできなかったバイトをしたり、バレエを再開したり、テニス、ゴルフにもチャレンジしました。勉強では、大学1・2年の教養の時に一通りいろいろな授業を受けてみたのですが、いまひとつ自分にしっくりくる学問がありませんでした。とりあえず好きな語学を頑張っておこうと思い、ニュージーランドに留学したり、ドイツ語に取り組んだりしました。3年生のときには、糖尿病予防の研究室に入り、お茶の成分が糖代謝に及ぼす影響についての研究を行いました。
その後就職活動もしましたが、説明会に参加しても、何か自分がやりたいことと違う感じがしました。そんな時、幼いころから親しんできたバレエの動作が東京大学で研究の対象にされていて、京都大学でも同じような研究ができるということを知り、大学院への進学を選びました。

田辺さんは、研究対象が「お茶の成分」から「体の動き」へ変わることにとまどいはなかったですか?

人体シミュレータをつかった看護の講義

その点については、研究室の教授が壁を感じさせないように配慮してくださったので、大丈夫でした。

最近、大学では様々な基礎的な学問を身につけ、大学院に入ってから本格的に専門分野の研究をする風潮が強くなっています。特に京都大学は、学問選択の自由度が高いので、積極的に取り組む姿勢があれば田辺さんのようなケースも可能ですよ。

現在はどのような研究に取り組んでいらっしゃいますか?

私は、まず看護師・保健師・遺伝カウンセラーという専門職としての役割を持っているので、それを土台に研究をしています。今は、その中でも生活習慣病の予防に関する研究に取り組んでいます。代表的な病気である糖尿病にも遺伝が関係していて、糖尿病患者さんのご家族の発症をいかに予防するかというのがメインテーマです。そのような方々に、予防に関するどのような指導方法が効果的か、ということについて心理的・教育的なアプローチも含めて研究しています。

私は、立位制御の解明に取り組んでいます。具体的には、人間はどのようにして立つ・歩く・走るなどの動作を行っているのか、また個人差や左右差はどこから生まれるか、バレエで例をあげると、どうして人はつま先立ちできるのか、その時脳や筋肉はどう活動しているのか、芸術的動作が上手な人とそうでない人ではどこにちがいがあるのか、といった研究です。

そうした研究が、最近開発が進んでいる人型ロボットや介護ロボットなどに結びついていくわけですよね。

はい。それから、ペンシルベニア州立大学と共同で、肥満が歩く動作にあたえる影響だとか、NASAとの共同研究では宇宙飛行士が宇宙へ行く前と地球にもどった後の状態のちがいを調べたりもしています。宇宙飛行士は、地球帰還直後立って歩くことが非常に難しくなります。筋力が衰えている状態でどうような制御が働いているのか、そしてどのようにして元の状態にもどっていくのかを解明する取り組みもおこなっています。

では、お二人の今後の研究目標をお聞かせください。

先ほどの生活習慣病についてもそうですが、高齢社会では病気の人や身体の機能が弱っていく人がどんどん増えてきます。病気を持つ人、歩けなくなった人、認知力が低下した人、それぞれの人が安心して日常生活をおくることができるための技術開発や、それを元にした社会的制度や政策の提案に絡んでいきたいと思っています。特に、看護の領域はまだまだ研究領域としては未成熟な部分があるので、研究を1つ1つ重ねていくことで、学問領域全体の研究活動を活発にしていきたいです。

今後も研究を重ねて、人間の動きを解析しシミュレーション化して、人間の動きの本質を解き明かしていきたいです。また、2020年の東京オリンピックに向けて、いわゆるスポーツバイオメカニクスとよばれる科学的な研究が大変進んでいます。私の研究成果がそうした分野にも活かしていければと考えています。

本日は貴重なお時間をありがとうございました。最後に日向学院の在校生と学院をめざす小学6年生に一言お願いします。

学院は自主性を尊重してくれる学校です。そのめぐまれた環境を活かして、自分の目標にむかって頑張ってほしいと思います。時には悩んで、何をしたらよいかわからなくなることもあるかもしれません。そんなときは、先生の言うことを信じて、目の前にある課題を1つ1つかたづけていきましょう。

私が日向学院の生徒だったときは、先生方がいらっしゃる学年室に無駄に(?)通っていた気がします(笑い)。学院の先生方はとてもフレンドリーで、生徒の個性を大切に伸ばしてくださいます。そして、生徒の頑張りをいろいろな形でサポートしてくださいます。壁にぶつかったときは、まず学年室に行ってみてください。

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